1分でカタルーニャ州首相が独立宣言を延期した理由を分かりやすく説明してみた
先日の記事の続きです。
前回記事はこちら
10月10日に独立宣言をすると見られていたカタルーニャ州のプチデモン首相が独立宣言
を延期しました。住民の要求は支持するとしながらも強行して独立宣言をしない理由について1分間で分かりやすく説明してみたいと思います。
まず前回も触れた通り、そもそもの独立の目的はカタルーニャ州の経済活性化です。
スペインのGDPの20%を叩き出しているカタルーニャ州は多額の税金を中央政府に払っ
ていますが、そのお金を自分たちの州の為だけに使えばもっと生活がよくなるという考
えのもとにこの独立デモは起こりました。
しかし、それはカタルーニャ州が独立後にEUに加盟しているという前提の上に成り立っているものです。その理由は大きく分けて2つあります。
1つ目は銀行の問題です。ユーロを通貨として使うことが出来なくなれば銀行経営に大
きく影響する恐れがあります。EUの銀行の多くは欧州中央銀行が直接監督下に
ありますが、EUから独立すると強大な経済基盤を失うので銀行の信用に関わってきま
す。
2つ目は企業離れです。カタルーニャ州がユーロ圏から外れると今まで使っていたユーロ通貨が流通できなくなりますし、関税も問題も出てきます。さらには企業に対する支援金もなくなるため多くの企業が州外に流出してしまう可能性が出てきます。
これらの理由からカタルーニャ州にEU加盟は必要不可欠ですが、スペイン独立後のEU
加盟は難しいでしょう。EUの加盟にはスペインを含む欧州理事会の全会一致が条件だ
からです。独立を強行したスペインはカタルーニャのEU加盟を認めないでしょう。
加えて独仏はスペイン政府の立場を支持し、独立宣言をすると考えられていた前日にフランス政府はカタルーニャのEU加盟を認めないと発表しました。
こういったスペイン政府および独仏の圧力もあり独立宣言を延期したと考えられます。